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工程進捗の登録・閲覧システム(追記専用ログ・共有フォルダ運用)

工程進捗の登録・閲覧システム(追記専用ログ・共有フォルダ運用)

背景・課題

染色加工を伴う製造現場では、1つの製品が複数の工程(ほどき・コース検査・巻き取り/梱包など)を順に通る。各工程の完了は担当者ごとの手書きや別々のファイルに残され、「この製品は今どこまで進んだか」を確認するには複数の記録を突き合わせる必要があった。 制約も多かった。データベースサーバーは新設できず利用できるのは共有フォルダだけ、工程ごとに別の端末・別の担当者が作業する、作業者にはPCに不慣れな人もいる、表示言語はタイ語が中心。そこで「作業完了をバーコードで登録する入力アプリ」と「全工程の進捗を一覧する閲覧アプリ」の2本で構成する進捗管理システムを作った。

背景・課題

主要機能・特徴

入力側(登録アプリ)は、製品のバーコードをスキャンして担当者チップを選び、登録ボタンを押すだけで完了を記録する。本番反と試験反の色分け、登録済みの行のグレー表示、個人の作業履歴の確認・訂正・取消、期間指定の履歴表示とCSV出力を備える。 閲覧側(ビューアー)は、製品1件につき1行で、各工程の完了日と担当者コメントを横並びで表示する。パターン・Web・Lot・色による検索、期間指定、列の絞り込みと並べ替え、印刷、工程別コメントを含むCSV出力に対応する。1280px幅のモニターでは詳細列を自動で畳み、日付表記は全画面で統一している。

主要機能・特徴

主要機能・特徴: 閲覧アプリ

閲覧アプリでは、検索は期間指定と組み合わせて絞り込む(AND)方式にした。以前は検索語が全期間に効いていたため、カレンダーで指定した範囲外の行まで表示され、意図とずれて見えた。現在は範囲内のみを表示し、期間外にも該当がある場合は件数を通知する。範囲外にしかない製品も見落とさないことを狙った折衷案である。 工程ごとのコメントはアイコンにカーソルを合わせるとポップアップで読め、画面端で見切れないよう表示位置と色を工程ヘッダーに合わせて調整している。

主要機能・特徴: 閲覧アプリ

技術選定・アーキテクチャ

アプリは Tauri v2(Rust + 素の HTML/CSS/JavaScript)で、登録アプリと閲覧アプリの2本を1つのリポジトリで管理している。入力と閲覧の間をつなぐのは、共有フォルダ上の追記専用イベントファイル(1行1イベントのJSONL、スキーマ版数付き)だけで、データベースやサービスは置かない。 訂正や取消は元の行を書き換えず、後続イベントとして追記する。閲覧側は、同じ対象に対する最新のイベントを採用して現在の状態を組み立てる。各端末が別ファイルへ書くため書き込みの競合が原理的に起きず、SQLite のようなロックを使うファイルを共有フォルダへ置くことも避けられた。一方で、履歴が増えるほど読み込み量が増える点は弱点であり、月単位のファイル分割と、読み込み時のキー正規化・重複排除で抑えている。

技術的工夫: 本番と試験の判別と作業選択

マスターCSVは試験反だけを含み、本番反は別の製品DBから取得する。種別(本番/試験)は、Web番号の桁数ではなく「データの出所」で判定するように改めた。さらに、同一の型番と製造番号に本番と試験が複数存在し、バーコードだけでは区別できないケースが実際に見つかったため、該当時は作業選択ダイアログを出し、1〜9のキーで候補(本番/試験、Lot、色、数量)を選べるようにした。 完了済みの判定はLotを含むキーで行い、同じ製品の別Lotを誤って重複扱いにしない。製品DBに接続できない場合は、無言で失敗せず通知を出す。ただし、試験のみの製品と本番の紐付けの整合は、現場での運用確認が継続中である。

技術的工夫: 本番と試験の判別と作業選択

技術的工夫: 常駐運用と自動更新

登録アプリは、最大化したままタスクバーに常駐して使われる。朝に起動したまま午後にマスターが更新されると、古いデータのまま「未登録」と表示される問題があった。そこでマスターと履歴のファイルに対し、更新日時とサイズだけを見る軽量なスタンプ比較を定期的に行い、変化があったときだけ読み直すようにした。全件を読み直さないため、PCへの負荷は小さい。 併せて、1280×980のモニターで有効な表示高さを計算し、最大化起動・Lot列の追加・履歴の日付の固定幅・Noteのテキスト表示といった表示調整を行った。

技術的工夫: 常駐運用と自動更新

技術的工夫: 個人の作業履歴と複数人作業

個人の履歴画面(自分の記録)では、作業を訂正・取消できる。複数人で同一の作業を行った場合は、1行に複数のIDを並べて表示し、CSVでも行をまとめる。長い色名や日付は省略記号で切り詰め、ホバーで全文を表示する。印刷時は用紙の余白を抑えつつ、Pattern・Web・Lotは折り返さないようにしている。

技術的工夫: 個人の作業履歴と複数人作業

多言語対応・設定・同梱マニュアル

登録アプリはタイ語・日本語、閲覧アプリはタイ語・英語の画面切り替えに対応する。設定画面では担当者、履歴、保存先、言語、情報をタブで分け、情報タブから同梱のユーザーマニュアル兼技術仕様書を標準ブラウザで開ける。仕様書にはバージョン履歴を併記しており、更新頻度の高い登録アプリは1週間単位でまとめている。

多言語対応・設定・同梱マニュアル

成果・現状

登録アプリ v0.2 系・閲覧アプリ v0.1 系として運用を進めており、共有フォルダだけで複数工程の進捗を1画面で追えるようになった。現場からのバーコード運用に関する指摘(重複の扱い、本番/試験の混在、常駐時の更新)を、その都度仕様に反映してきた。 一方、記録の手間や確認時間がどれだけ減ったかは、まだ数値として測れていない(継続中)。自動テストは現状ロジックの確認が中心で、UIを含む網羅的なテストは整備できていない。今後は、実運用のデータを見ながら判別ルールの見直しを進める予定である。

成果・現状
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