生地検査ラベル発行アプリ
型番と製造番号だけで、印字までを数秒に



情報
スキル: Tauri v2, Rust, Vanilla JavaScript, HTML/CSS, SQL Server (ODBC via PowerShell), SATO SBPL
Link: Private
作成日: 2026-05-25
プロジェクト概要
タイの繊維工場の生地検査工程で使う、生地ラベルの作成・印刷を効率化するデスクトップアプリ。型番と製造番号を入力するだけで幅・柄の繰り返し寸法や色番号を社内データベースから自動取得し、コーポレートカラーをまとったラベルにバーコードまたはQRコードを添えて即座に印字する。現場で起きた印字かすれやデータ消失の課題をひとつずつ解決しながら、複数台のPCで日常的に使われるところまで育てた。
背景・課題
検査後の生地に貼るラベルの作成・印刷が手作業中心で、担当者の経験に頼る部分が大きかった。型番ごとに幅・柄の繰り返し寸法や色番号を台帳やAccessファイルから調べて手入力しており、入力ミスや二度手間が起きやすい状態だった。また、ラベルには後工程の別システムが読み取るバーコード/QRコードを添える必要があり、印字品質やコードの形式を現場の運用に合わせ込む必要があった。
主要機能
・型番/製造番号の入力だけで、幅・柄の繰り返し寸法や加工詳細(Lot・色・メーター・備考等)をSQL Serverから自動取得 ・色名からの色番号自動照会(表記ゆれ吸収) ・バーコード(Code128)/QRコードを選択式で埋め込み、後工程システムでの読み取りに対応 ・破裂強度試験用のミニラベルを複数枚まとめて印刷 ・印刷履歴の無期限保存とCSVダウンロード、共有フォルダへの自動出力(別システムとの連携用) ・タイ語/日本語/英語/中国語の4言語対応 ・プリンターパスやラベル項目順など各種設定を1画面に集約
技術的な工夫
色番号の取得は当初、静的な設定ファイルを同梱する方式だったが、色の追加・変更のたびにファイルを配り直す必要があり運用が回らなかったため、データベースを都度照会する方式に切り替えた。バーコードは当初ラベル全体を画像化してプリンターへ送っていたが、現場から「かすれて読み取れないことがある」と報告があり、原因を調べたところ画像の二値化で細いバーが潰れていた。プリンター内蔵のSBPLコマンドで直接描画する方式に変更し、印字品質を安定させた。また、ある端末で印刷履歴ファイルが破損しデータが失われる事故が発生した際、読み込み失敗時に空データとして扱い上書きしてしまう設計上の弱点が判明した。以後は保存前の検証、3世代の自動バックアップ、破損ファイルを削除せず退避する仕組み、バックアップからの自己修復、共有フォルダのCSVからの手動復元機能を実装し、同種の事故が起きても運用を止めない設計に改めた。設定情報についても、一部端末でブラウザ保存領域が消去されて再起動のたびに消える不具合があったため、設定ファイルへの二重保存に切り替えて解消した。
成果
複数台のPCで日常的に使われており、印刷履歴は無期限に保持されたまま共有フォルダ経由で別システムと自動連携できる状態を維持している。過去に起きたデータ消失事故を教訓にバックアップと自己修復の仕組みを整えたことで、同種の障害が起きても現場の作業を止めずに復旧できるようになった。開発と並行してアプリと同じデザインのユーザーマニュアルと技術仕様書も整備し、現場からの改善要望を反映しながら継続的にアップデートしている。